宮部みゆき著「名もなき毒」を読む

誰が悪いわけでもないのに心を犯す「毒」の物語。面白いだけでなく、非常に考えさせられる作品。おすすめ。

自己実現というのは衣食住が足りてしまった現代におけるある種の病なのかもしれないなぁ……と思う一方でカーネギー本でも「誰から見ても明らかな犯罪者ですら自分の行動に正当な理由をつける」と述べられていることを考えると、決して現代の話ではなく人間の根本に根ざした事柄なのかも。

ともあれ、理解できない人というのはこれ以上ない恐怖ですなぁ。

名もなき毒

名もなき毒