マイケル・ムーア監督作品「SiCKO」を見る

エヴァを見ずにこっちを見て正解だった。感動した。

アメリカは刑務所すら民営化されているがうまくいっていないようだし、日本でも保険会社の不払いが最近問題として上がってきている。どうも「長い人生の中では経験する可能性が高いが今は必要ない」という事柄に関しては市場の失敗が起こりやすいようだ。常に大多数の人にとっては関係ないが故に選択を自由にすると保険適用の確率が高い人ばかりが加入してしまい市場が成立しなくなってくる。市場が成立しないわけだから、市場を成立させるために保険適用が必要な人々を除外してしまうという結果を招いてしまう。

治安、年金、健康保険といった事柄はやはり国民の義務として掛け金を徴収すべきなのだろう。そのように考えると今の年金未納者が増えていることは大きな問題だ。放っておくと年金制度の崩壊に繋がりかねない。さっさと税制と統合してしまえばよいのに。

映画の話に戻る。

アメリカを除く多くの国では国民皆保険制度が導入されているが、その適用範囲に関してはお国柄が表れて面白かった。正直フランスの社会保障は見ててもやりすぎ感があるわけだが、成長率の低下、高い失業率、財政の悪化というフランスの経済状況を見る限り維持可能な水準を超えているのではないかと思わざるを得ない。

ここ最近思うのだが公共サービスに関しては、日本は世界的に低い水準にも関わらずそれなりに良いサービスを提供できているように思える。とはいえ、こう不況が長期化しては制度の維持も難しくなるのではないか。さっさと景気が回復してくれることを祈るのみである。