消費税の話題

僕は消費税より累進復活+名目成長*2が望ましいと思うものの,まぁ増税が必要だという考えはわかる.

http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20070915#p2

ふむ。飯田先生は累進税重視なのか。でも、何が理由なのだろう。スティグリッツの公共経済学とか読んでみたけれど、何を持って良い税とすべきなのかがイマイチよくわからなかった。

もちろんインセンティブを削いだり歪めたりしないということは挙げられている。とはいえ、インセンティブを歪めない、あるいは世の中を良くする方向にインセンティブを働かせる税の最たるものは人頭税環境税であって、より一般的な法人税所得税、消費税ではない。法人税所得税も勤労のインセンティブを削ぐし、消費税は消費のインセンティブを削ぐことになる。また、勤労や消費に関する個人の趣味趣向が税額に影響を与えてしまう。

私個人の見解としては、逆進性*1と、システム的な負荷が非常に大きいという二点から消費税は支持しないのだが、幅広い人々に課税できるというメリットは確かにあるように思う。また、労働供給は所得税には感応的ではないようなので所得税の累進度を昔のように高めることも賛成だ。ただ、このような話は個別の利点・欠点に依拠しており、包括的に見て正しいのかどうかよくわからないところではある。

そういえば、権丈先生の「医療政策は選挙で変える」には「消費税には逆進性があるが社会保障制度用の目的税とすれば累進税となる」と記されており面白く感じた。個人的にはこの記載には「トータルの歳入額と歳出額がどうなるかが重要でその内訳だけを見ても意味がない」という観点から疑問に思わないこともないのだが、社会保障費が国内総生産に依存するならば、社会保障費を消費税で目的税化することで他の目的とは切り離した形で議論・運営できるようになるというメリットはあるように思える(概して政治的メリットのように思えるので完全に納得できているわけではないが)。

*1:逆進性は消費税に元来備わる性質ではないが、消費税はその単純さもメリットであるため累進性を付けにくい。