負のジレンマ

男性宅を含めて多くの家の前には、住民が線路を横切る里道がある。JRが踏切とは認めていない私設の生活道だ。

 すぐ近くに住む地元自治会長の佐々木武紀さん(67)は「もともと里道は何百年も前からあった道。あとから線路が出来て道が分断されてしまった」と説明した。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200803010096.html

仕事をやっていると、簡単に実行でき実行した方がお客には喜ばれることは明らかにも関わらず、実行することによって会社として責務が生じてしまうので対応できない、などということがよくある(例えば、業務内容によってはJavaなどでかっちりとしたシステムをくみ上げるよりも、EXCEL VBAでちょっとした仕組みを作った方が遥かに安く実効性も高い場合があるが、EXCELの保守やそれによってバグが発生した場合の問題を会社として保障できないがために対応できないことがある)。

おそらく上記の問題も同じことなのだろう。JRの担当者としては認めたいところだろうが、JRが公式に認めてしまうとそれによって発生した事故の責任をJRが負わなければならなくなる。だからといって全面通行禁止としてしまうと地元住民の恨みを買うことになる。もちろん、あらゆる場合の責任範囲を明確にして契約を結んでしまえばよいのだが、現実的にはなかなか困難だ。この場合、黙認こそが関係者全員の利益を最大化する方法となる。

このような問題をうまく解決する方法はあるのだろうか。