某所のおはなし

それが何を意味するかは別として、小林慶一郎氏は査読論文ないようだけどなぁ査読論文があるとの指摘を受け訂正しました)。中嶋智之氏という方はまともな研究者のようだけど、金融政策に関しては昔のいちごびびえすを探していたらこんな記載が見つかった。

104: ドラエモン  2004/05/28(Fri) 17:07
日本語文献であれば、「不確実性下における金融政策とインフレーション」(潮流2002)があるわな。

筆者であるブラウン大学の中嶋氏は、金融政策がデフレ解消に無効であることを証明していると述べているが、よく読むとどうも違う結論になるのは、毎度お馴染みのパターン。

彼は、不確実性のある新古典派動学的一般均衡モデルを設定し、リカーディアンレジームを財政政策のルールとして採用したとき、短期金利操作だけでなく貨幣供給量操作(つまりベースマネー量的緩和)は、ともにデフレを解消することはできないことを証明している。この結論は、価格硬直性やら市場の完備性などの条件を落としても常に成り立つ事であり、一般的な命題となっている。

問題は、「短期金利操作でも量的緩和でもデフレを解消できない」という主張が、リフレ派の主張に対する有効な批判になっているかどうかだ。中嶋氏はなっていると思ってるようであるが、果たしてそうか?

彼の論文で指摘されている重要な留保条件は「ゼロ金利下で貨幣と完全代替となっている短期証券の金利操作は無効だが、『十分多くの他の証券価格を設定するように市場に介入することができるならば、不確実性下でもインフレーションのコントロールは(少なくとも理論的には)可能である』ということだ。

つまり、プラスの金利の付いている、しかも膨大な残高のある証券=長期国債の市場でオペを行い、その価格に影響を与えるほどの規模であれば、デフレを金融政策で阻止することは、少なくとも理論的には(笑)、可能であると言うことになる。

これって、「短期金利操作や当預残高の量的緩和じゃあデフレは止まらんから、とっとと長期国債(あるいは外国為替)の大規模買いオペやらんかい」というリフレ派の主張が、少なくとも理論的には可能であることを証明したことになるわな。

http://www.ichigobbs.net/cgi/15bbs/economy/0910/104

うーむ、専門家でもない人間がとやかく言うなというのはわかるにしても、それを金科玉条にして、詳細は無視ってのはいかがなものかな。金融政策に関する貢献から言えば、小林氏や中嶋氏よりバーナンキ伊藤隆敏氏の方が大きいのは明らかだしねぇ。

それに、nin氏も自分が気にくわない主張に対し他人の褌ですもうをしているようにしか受け取れない以上、結局その批判は自分にも帰ってくるわけだよねぇ。

なんかしょうもない話題だなぁ。どうせなら某国の某一流ジャーナルに載った某論文ではインフレ目標は無効であると証明されている! 見たかリフレ派のクズどもめ……とかじゃないと議論のしようもないし、観客としても楽しめないのよ。