論点がよくわからなくなってきたので地味に行こう

論点がよくわからなくなってきたので加藤涼著「現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門」を紐解いてみると、インフレ目標のDSGEモデルが載っていた。そういえば、そうだったなぁ。うぅむ、記憶が……。

とすると、インフレ目標のDSGEがないというのは私の杞憂で、日本のデフレ対策にインフレ目標が有効なことをDSGEモデルで示した論文あるいは議論がないということなのか(同書には0金利制約になる前にどうすべきかという議論は掲載されているが、流動性の罠にはまった後どうすべきかは掲載されていない)。

[追記]
と、思いながらyano氏のサイトを読み直したら書いてあるじゃん(w 今更ながらやっと理解(遅いよ)。

(1)「DSGEモデルを使って議論するのが最低限クリアすべき条件だ」というのは納得したが、「『どの』DSGEモデルを使って議論すべきか?」については依然として未解決だ(Model Uncertaintyの問題)

(2)「流動性の罠」にはまった場合のDSGEモデルのパラメーター推定(もしくはキャリブレーション)についてはまだ課題が多い。なぜなら、ゼロ金利制約のためテイラールールが非線形になる(非線形性の問題。Kato and Nishiyama (2005)などを参照)

(3)均衡産出量や均衡実質金利の推定にも課題が多い(均衡値推定の問題)

(4)インタゲはoptimalなのか?

http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20080726/p2

(1) が理論的な課題。(2) はカリブレーションでの課題で、yano氏はモンテカルロ・フィルターを使って解決しようとしている。(3) も同様。

(4)のoptimalっていう用語がよくわからないのだが、そのまんま最適な政策なのかという意味なのか、それとも複数均衡しないか、ということを意味しているのか。

なんとなく、論点が見えてきたけど高度すぎて付いていけん……