ルーカス批判

758: ザモデル  2002/07/05(Fri) 01:51
データとの整合性を重視して、パッチワークを擁護しようとする人々は
ルーカス批判に答えなければならないだろう。
理系出身者にありがちな誤解だが、
「データと整合的なモデルが必ずしも正しくない」ということをまず、
理解することを薦める。
792: すりらんか  2002/07/05(Fri) 16:34
…universalityの高いパッチワーク云
々については東洋医学何かがいい例.長期にわたって安定的に観察できる関係は (いずれザモデルの説明がつくのだろうが,それまでは)武器がそれしかないな ら使うべきである思いますね.
797: ザモデル  2002/07/05(Fri) 17:00
>すりらんか氏
念押しで言い足しておく。
東洋医学の例は全く当てはまらない。
人間の体や病気は、治療法を予測して行動を変えたりしない。
一方、経済は、政策のやり方が変わった(と認識された)瞬間に既存の
「安定的な関係」は変化するのだ。

http://www.ichigobbs.net/cgi/15bbs/economy/0290/

理屈としてはそうだわな。経済学と物理学の最大の違いは、構成要素が予想するということ。しかしながら、次の例のように現実が100%合理的期待でないならば、パッチワークでも十分に役に立つということにならないだろうか。

連邦準備制度理事会のスタッフに一つの計算を依頼した。私が尋ねたのは、米国債一年物利回りの毎日の変化と、今から二十九年後の理論上の一年物先物金利の毎日の変化とはどれだけ相関しているかという点であった。この問いに対する理論的に正しい解答を知っていると自分では確信していた。金利を現時点で毎日動かすニュースが二十九年後の金利に重大な影響を持つとは到底考えられないので、相関度は事実上ゼロのはずである。

(中略)

ともかく、一九九四年について計算された相関係数は+0.54であった。文字通り受け取れば、この相関係数は、今から10585日後の一年物利回りの分散の29%が、今日の一年物利回りの変動によって説明できることを意味している。だが、このような前提に基づいて、イェール大学の基金を運用すべきではないし、自分の資産についてはなおさらである。

それでは、この相関係数はなぜこんなに高いのであろうか。私の直感的解答についてはこれから詳述するが、ひと言でいえば、時間の尺度が極めて短いために過剰反応が生じていることを反映している。一九九四年に三十年債を売買していたトレーダーたちは(今日のトレーダーたちと同様に)さまざまな経済ニュースが二〇二四年の経済にどのような意味を持つのか、おそらくは考えていなかったのである。実際、彼らはまだ生まれてから三十年生きてもいないので、三十年という時間の長さをおそらく理解できなかったはずである。その代わりに、彼らは、長期債をずっと期間の短い商品であるかのごとく売買していたのだろうと、私は確信している。

中央銀行の「静かなる革命」―金融政策が直面する3つの課題

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