企業の救済は長期的には損?

金融機関の破綻が乗数的に経済全体を悪化させるという説が強いが、日本の失われた10年の経験からすると、そのような主張の根拠は乏しいようだ。もちろん、個別金融機関の破綻の経済全体への影響が大きくないとしても、金融システムを守ることが大前提なのは言うまでもない。金融緩和や流動性の供給、預金と決済性口座の保護などの対応は必要だ。疑心暗鬼で預金が流出したり、銀行を通じた支払いができなくなっては困るだろう。日本の拓銀の破綻への対応では、この点に関しては問題がなかった。だからこそ、拓銀破綻が大きな悪影響を与えなかったのだろうとも言える。

ビジネス : 日経電子版

資金の保護さえきちんとできれば、金融機関の救済はしない方がよいという結論。たかが証券会社に過ぎないリーマン・ブラザーズの破綻でさえこれほどの影響が出ていることを考えるとにわかには信じ難いが、書いているのが原田氏なのでそんないい加減な話でもなさそうだ。

そういえば日本も山一證券が倒産したときに株価は大きくさがってたような。実は金融機関は潰しても証券会社は潰しちゃならんとか、そういう話なのか?