そして、移民に思うこと

国籍法改正がなぜ批判を集めるかといえば、日本の移民問題への拒否感にあるのだろうと思う。

国籍法改正は、外国人の受け入れとは異なる話なので別だが、移民そのものには反対の立場である。

別に外国人に対し偏見を持っているわけではない。そうではなくて、人種や言語、文化などというものはえてして紛争の火種になるというのが、その理由である。外国人が本当のマイノリティであれば、日本社会との共存は今現在そうであるように別に難しい問題ではない。しかし、外国人がある一定のマジョリティを獲得したとき、そこに衝突が発生することは不可避であろう。同じ地球人なのだからと言っても、アメリカが実際そうであるように、結局民族ごとに住む地域が混ざることなく分かれてしまうならば意味がない。

特に今のような経済状況で移民を受け入れれば、外国人に職を奪われたという悪感情が先行し、日本人の失業者がデモを起こしかねない。中川秀直は、優秀な人材だけ移民してもらえばよいなどと調子のよいことを言っていたが、日本のような不況にあえぐ夢のない国にあえて来ようとする人がいるものか。

幸福の政治経済学にも他国に住む人の幸福度は低いという結果がでていたが、あえてお互いにとって不幸を呼ぶ可能性のある事態を招く必要もあるまい。