再分配目標というアイデア

このブログでも長年主張してきたインフレ目標による景気回復策であるが、自民党、みんなの党、維新の会、公明党が公式に政策として打ち出してきたこともあり、ようやく次の政権では実現しそうな見込みだ。批判的とは言え、朝日新聞にすら「リフレ論」なる文字が踊るご時世である。ずいぶん世間に浸透してきたものだ。

まだ予断は許さないとはいえ、クルーグマンの「It's Baaack! Japan’s Slump and the Return of the Liquidity Trap」が1998年、そして岩田規久男編著「まずデフレをとめよ」が2003年であるから、かれこれ10年越しで政策が実現することになる。

実現した際には、素直に喜びたい。

デフレ脱却は景気回復に至るために最低限必要な政策であり、雇用の回復には数年を要するであろうし、欧米の不振や中国のバブル崩壊など不安要素は尽きないが、少なくとも現状の低落飛行を止めることはできるだろう。私自身は、日本は不況が長く続き不良債権処理など問題が出尽くしているが故に、他国に比べても素早い景気回復ができるのではないかと楽観しているけれども。

さて、デフレから脱却し、ある程度景気が回復してきたら、次はおそらく、財政緊縮か財政拡張か、あるいは、経済成長か再分配か、という議論に経済論戦は移っていくと思われる(インフレ目標から名目GDP目標へという議論もあるが、市民権を得るにはあと10年くらいかかるだろう)。

中でも再分配は大きなトピックとなるはずだ。

そこで提案なのだが、各政党は今のうちに「再分配目標」を提示してみてはどうだろうか。

これは、具体的な政策ではなく、我々が政権を取ったあかつきにはこのような所得分配を目指しますよ、という目標を図で表すのである。どのような図がよいかは、私にも明確なイメージはないが、年齢別、所得階層別にそれぞれ5つ程度に分割し、再分配前所得、現在の再分配後所得、各党が目指す再分配後所得の三つがわかりやすく表示されるのが良い。

再分配のような各党がどのような国造りを目指すのか比較可能な形で明示されるというのも悪くないと思うだが。

(まぁ、こんな場末で書いたって仕方ないわけだけれども)

まずデフレをとめよ

まずデフレをとめよ