公認会計士から見た「ゼロ金利政策」
昨日の日記で参考文献として引かせてもらった「決定版 ほんとうにわかる経営分析」という本は、目から鱗の話が多くて非常に面白く、かつ実用的な「決定版」の名に恥じない名著なのだが、その中でゼロ金利政策に触れた項がある。
多少長いが以下、引用させていただく。
日本の中央銀行である日銀は、一時期、ゼロ金利政策なるものを実施しました。日銀が、金融市場に資金を大量に供給して、市場金利をゼロに近づけるというものです。世界の金融史上、例のない金融緩和政策だといわれました。なぜ、そうまでして、日銀は金利をゼロにまで近づけなければならなかったのでしょうか。
日銀の金利政策は、金融機関の貸出金利に影響を及ぼし、企業の借入利息の負担を左右します。それは直接的な効果です。
金利がゼロであれば、企業の売上高事業利益率は、借入金の利子率を絶対的に上回ることになります。それは、どんなに自己資本比率が低い企業でも、企業の収益力を回復させます。日本では自己資本比率が低い企業が多すぎる、そのために「史上まれに見る」ゼロ金利政策が実行されたのです。
これが、経営分析の立場から見た、ゼロ金利政策の理由です。
ゼロ金利政策の実行理由など多少異論はあるけれど、まともな公認会計士はダメな経済学者や日銀総裁よりも遥かにましなことを言うのだねぇと、当たり前のことに感心した次第。
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