スティグリッツ入門経済学第3版 日本語版が出てた

今日、本屋によったら翻訳権が高くて出ないのではと噂されてたスティグリッツ経済学第3版の入門経済学だけが並んでいた。即効ゲット……するのはさすがに躊躇われたので、ぱらぱらっと立ち読みしてみた*1

山形浩生が「第三版はひどいと思うけど」とか書いていたので*2心配していたのだが、単に今どきの大学生に合わせて例をIT企業にしただけのようだ。

最初の方でフォーチュン500の例を引いて「ニューエコノミーはそれほど多くないし、上位を占めるのはほとんどがオールドエコノミーだ」とか書いてあるし、「時代は変わっても経済学の理論は変わらない」とどこぞの経済学者の言葉を引用してたりするし、どこらへんがダメなのかよくわからない。山形浩生の勇み足なんじゃなかろうか。

リフレ派的には、インタゲに関するコラムが2ページに渡って掲載されているところが見所か。きちんと「多くの中央銀行インフレ目標を採用しよい成果が出ている」ことも書いてある*3

ただ、スティグリッツとしてはクルーグマンの論文にあるような「インフレ目標するぞ!……と、言ってみただけ」みたいなのでは難しいんじゃないかと考えていて、適度なマネタイズが必要なんじゃないかと言っております。はっきりとは書いてなかったけれど、期待の効果は重視されていないようです。残念。

*1:以下、引用文っぽい記述はうる覚えなのでいい加減です。ご注意あれ。

*2:IT革命マンセーでダメと他の場所で書いていたのだが、どこだったか忘れてしまった。

*3:これで公式に「インフレ目標に前例がない」という初期にあった批判はトンデモ扱いできるぞ