それは自由競争の問題なのか

それがどうや。いい時は700万円あった年収も、今は一級の国家資格を持っている腕利きの職人でも350万円程度。普通の会社員から見ても決して高くない。だから職人のなり手がいない。こんな職業に夢が持てるか。あんたの子供さんをこんな仕事に就かせるか。就かせるわけないやん。

この間、四国の親方が首をつって死んだ。私らの仲間や。経営に失敗したと言えばその通り。ただ、(こういった現状で)犠牲になる人はものすごく多いんやで。言葉は悪いが、ダンピングは談合よりもっと質が悪い。談合は金(の問題)やけど、ダンピングは人の命を奪う。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080327/151329/

言いたいことはよく分かる。だけれど、おそらく原因は自由競争によって発生したダンピングではなく不況がその主たる原因なのではないだろうか。バブル期に大量の需要が発生したため、建設業界で働く人が多くなりその関係のスキルに比較優位を持ってしまっている状況が発生した。その後、大不況が訪れそのまま状況が改善しない状況が続けばどうなるか。建設業界に対する需要は減りパイは小さくなっているのに、個人としては建設業界でのスキルに優位性があるため辞めるに辞められないし、不況であるが故に転職機会も限られている。結局、賃金水準は落ちていく。

こんな政治に誰がしたか。もはや言うまでも無いことだ。