フルシチョフ面白い

こんな話もある。ソビエト連邦の元首だったニキータ・フルシチョフ。冷戦時代を象徴する恐ろしい人物である。国連の会議で靴を脱ぎ、その靴でテーブルを叩くという行動をとるような人物だ。その彼は自由化を推進するため、故スターリンの独裁者ぶりを痛烈に批判した。スターリンが行った残虐行為を世界に向け次々と暴露していったのだ。



 その彼がアメリカで記者会見をしたことがある。予めリストにして提出されていた最初の質問が読み上げられたのだが、これがなかなか辛らつなものだった。「あなたは、激しくスターリンを批判した。しかし、あなたはスターリンの親しい後輩だったではないか。スターリンの存命中、あなたは一体何をしていたのか」というのだ。



 フルシチョフは怒った。「だれがその質問をしたんだ!」。普段は口やかましい記者たちが、珍しく沈黙した。シーンとなった会場を見渡し、彼が再び吼える。「その質問を書いたのは、一体だれだと聞いているんだ!」。長い静寂のときが流れた。そこでやおら、フルシチョフはこう言った。「私が当時やったのは、これです。今のような沈黙です」。

本当のことを言う(4ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

まさにロシアンジョーク。