価格上昇が共謀や独占によって起こるわけではない証明

 ガソリン価格が上昇すると、経済に無知な人はすぐに、石油会社の共謀や独占力の証拠を見つけようとする。実際には、価格の上昇はそれとは正反対の証拠なのである。共謀者も独占者も、価格を引き上げるのに需要と供給の変化を待つ必要はないのだ。彼らは一年中、私たちからぎりぎりまで絞りとっている。むろんそれは、需要と供給に変化があったほうが彼らもやりやすくなるのだろうから、やはり価格は変動する。しかしそれは相対的にわずかなことである。

 独占者には、常に価格に敏感な顧客がついている。なぜなら価格に敏感でなければ、敏感になるまで独占者が価格をつり上げていくからだ。したがって、たとえ市況が変化したとしても、独占者はむしろ価格をあまりつりあげることができない。大きな価格変動は競争の証拠なのだ。

http://www.amazon.co.jp/dp/4862381596

タイトルにまったくセンスが感じられないのが残念な同書であるが、特に第一章など筒井康隆の小説を読んでいるような興奮がある大変すばらしい本なので、ぜひとも読んでいただきたい。

引用した上記の説明も非常にわかりやすい。市場の高騰はヘッジファンドが原因というよりも、年金などの莫大な投資資金がわずかな利ざやを求めて特定の商品に集中してしまうことによって起こっていると分析した記事を以前読んだことがある。上記説明は、その事実を補強するような内容となっている。

ランズバーグ先生の型破りな知恵

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