ナッジと選挙制度

ブログの更新も途絶えているので、たまには思いついたことでも書いておこう。ナッジにあるようにデフォルトに適切な選択肢を準備しておくことは、政策として重要なことである。翻って、現在の日本の選挙制度を思い出した時、デフォルトの選択肢は何であろうか。それは当然「投票しない」ということになる。

これは適切な選択肢だろうか。投票しない人であっても多少なりとも世の中に不平不満は持っているわけだから、本当に投票したくないわけではあるまい。おそらく、単に面倒くさい(あるいは、もっと有効な時間の使い方がある)し、どうせ1票程度では何も変わらないと思っているわけだ。各人としては合理的であっても、現行制度では彼らの意見は無視されるわけだから好ましいことではない。

この状況を改善するにはどのようにしたらよいだろうか。

ひとつ考えられるのは「棄権を面倒にする」方法である。例えば、「棄権する場合は、事前に申告を必要とし、申告せずに棄権した場合はペナルティを課す」という方法である。場合によってペナルティを課す必要すらないかもしれない。罰則規定を伴わない違法行為とするだけで罪悪感を感じ投票率が上がる可能性がある。

しかしながら、この方法は「ペナルティを課す」という部分がネガティブな印象を与え、多くの国民には受け入れられないかもしれない。そこで考えたのだがペナルティを課す代わりに「得票第一党の票」とするのはどうだろうか。現在、与野党のねじれ国会が問題となっているが、やはり政権を担う政党にはある程度権力を与えないとにっちにもさっちにもいかない。国民の支持率の高さに対してボーナスを与えてもよいだろう。また、「得票第一党」では、意に沿わない党に投票が行われてしまう、と危機感を覚える有権者はなんとしてでも投票にいくのではないだろうか。

ま、こんな場末で書いたところで絶対に実現はしないんですけどね……